【元職員の告白】なぜ死んだ人に納税通知書が届くのか?役所の「完璧主義」と死亡者課税の裏話

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死亡者課税って?
目次

固定資産税との腐れ縁(元職員の回顧録)

固定資産税との腐れ縁(元職員の回顧録)

こんにちは、パジャ丸です。今回はちょっと実務的なことを書きます。ですが、読み物としても耐えうる内容だと思いますので最後までお付き合いください。

私は市役所の資産税課で6年、その後は「嫌われ部署」と名高い会計課審査係に5年、籍を置きました。

審査係の名札裏には資産税課の名札を忍ばせていました。

といいますのも、資産税課に在籍していた時に自己開発した、死亡者課税対応システムの保守を頼まれることがあったからです。資産税課から呼び出されたら、名札を資産税課に切り替えてシステムのメンテナンス。ついでに、現場の愚痴のヒアリングも。良き日々でした。同僚に、とことん恵まれて、彼らの存在が今の活動の原動力となっています。

固定資産税とは腐れ縁のように長い付き合いですね・・・。 さて、今日は、ちょっと異質なテーマ「死亡者課税」を掘り下げてみます。

パジャ丸

早速箸休めしちゃう私。人気のある動画です。よろしければ、ご覧ください。会計課審査係は嫌われています。。。

出典|YouTubeパジャ丸の相続ガイド 監査課の翁

そもそも「死亡者課税」とは何か

そもそも「死亡者課税」とは何か

死亡者課税とは 登記簿上の所有者が亡くなり、相続登記がなされないまま、お正月を迎えると、ホーホケキョと鳴く頃に、死亡者の名前で納税通知書が刷られてしまう恐れがあります。(※役所に「現所有者申告書」という書類を提出していれば大丈夫です。)

「亡くなった人に課税など無効だろう!」 「失礼ではないか?」 そんな読者の声が聞こえてきそうです。

そのとおりです。地方税法でも、1月1日時点で登記簿上の所有者が死亡しているならば、現に所有する者、つまり相続人に課税せよと定められています。しかし、相続人調査が追いつかず、結果として死亡者課税が温存される自治体も少なくありません。

なぜ解消されない?「完璧主義」の弊害

なぜ解消されない?「完璧主義」の弊害

法律上は「現所有者(相続人)」に課税すべきなのに、なぜ役所は亡くなった人の名前で通知を送り続けるのか。そこには、公務員特有の「真面目すぎるがゆえの落とし穴」がありました。

なぜ解消しづらいのか。

人海戦術の限界

結構、公務員の闇は深い・・・

これはよく言われることで、相続登記をしないケースが沢山あるから、職員の戸籍調査が間に合わない。相続人に課税したいけれども、相続人が誰かを把握しきれずに、やむを得ず死亡者に課税してしまう、といった背景があります。

完璧主義の弊害

私はこの理由もあるのではと考えています。公務員は完璧主義ですので、ときに偏った物の見方をします。 相続人全員を把握しないかぎり、課税できないのではと。でも、そんなことはないと思います。最高裁の判例にはなっていませんが、税法的に、相続人が1人でも見つかったら、その人に課税していけばよいかと。

むしろ課税保留にしたり、死亡者のまま課税する方が問題だと思います。 相続人全員を把握していないと、滞納が生じた場合に、他の相続人への差し押さえがすぐにできないじゃないか、といった批判もあるかと思いますが、それは一度に求めすぎで、できることから始めた方がよいです。

0か100かで考えて、どちらも選べなかったから問題が風船のように膨らんでしまっている自治体も多いのではと想像します。80点でもいいから始めてしまって、風船が割れないように、できれば小さくなるようにしたいものです。

【提言】独り歩きする台帳と、あるべき姿

【提言】独り歩きする台帳と、あるべき姿

この章は、少し専門的な話になりますので、次の章 結局は「相続登記」がすべてを解決する(直美と岡さんの画像が出てくるところ)まで飛ばしていただいても構いません。が、折角この記事にお越しいただきましたので、死亡者課税が長引くと納税者にどんな影響が起こるのか動画だけでもご視聴いだけると嬉しいです。

出典|YouTube パジャ丸の相続ガイド
出典|YouTube パジャ丸の相続ガイド

2本目の答えは最長5年です。。。

さて、死亡者課税の問題を放置すると「台帳」が奇妙な動きを始めます。元職員として最も危惧している、登記と課税の乖離(かいり)についてお話しします。

筆者の憂い

A(亡Bの相続人)の台帳 このように一見奇妙な固定資産税の課税台帳が作られることがあります。 目的は、Bが亡くなったあと、相続登記がなされていないから、Bの相続人としてのAの台帳を作って、亡くなったBが所有していた土地や家屋を登録しようとするものです。

それ自体は、問題ないです。たとえば、12月に亡くなったけれども、登記は1月にするなんてことも普通にあると思います。 固定資産税の課税の基準日は1月1日ですので「登記簿上の所有者が亡くなっているから、相続人に課税するために、亡Bの相続人としてのA台帳を作ろう!」となるのは税法のとおりの運用です。

独り歩きする台帳

しかし、Bの相続登記がずっとなされず、今度はAが亡くなってしまった。そして、また相続登記がされない・・・。すると、今度はAの相続人としての課税台帳を作ることになります。(余談ですが、このとき、課税台帳のネーミングに悩んだりします・・・)

この間、登記簿上の所有者は微動だにせず、Bのままです。 ここにおいて、本来、登記によって所有者の権利が公示され、固定資産税はそれを頼りに画一的な課税がなされるはずが、逆転現象が起こっているのではと思うのです。

すなわち、現在の所有者は課税庁の相続人調査により担保し、法務局がそれを一資料として、権利を公示するといったことが起こるのでは(起きている?)と。私が資産税課に在籍している当時も、そのように思われることがありました。

離れてゆく

固定資産税課税台帳と登記簿の乖離。ただでさえ、課税誤りが問題視されている固定資産税において、将来的には台帳管理で混乱していくのではと憂いています。

本当はもっとシンプルに前へ進めるのでは?

固定資産税制において、正解は常に1つだと考えています。 それなのに、各自治体でさまざまな問題が噴出しているのは、正解である前に、完璧を求めているのも原因だと思います。

完璧でなければやらないというのは、目先のことを考えればラクな態度です。 何もアクションを起こさなければ、納税者からの苦情もありませんし。

一方、完璧でなくてもやる態度とは? たとえば、相続人が1人でもみつかったから、その人に課税をする。

そうしますと「なんで俺だけなんだ?」と怒鳴られるかもしれません。 でもそこで「他にも相続人がいるのですね?」などと切り返してみれば、相続人調査が進みますし、何を言われたとしても、

有効な課税をしているのなら、うろたえることはないのです。そして、有効な課税こそが正解でもあるのです。完璧を求めずとも正解には辿り着く。

結局は「相続登記」がすべてを解決する

結局は「相続登記」がすべてを解決する

コラムの最後にもありましたが、結局のところ、このややこしい問題を解決する唯一の方法は「相続登記」です。

相続登記さえ済ませてしまえば、役所の台帳もスッキリし、正しい所有者に通知が届くようになります。何より、次世代に「負の遺産」としての混乱を残さずに済みます。

「役所の手続きは難しそう…」と感じる方は、まずは以下の記事で手続きの流れを確認してみてください。

また、自分で手続きする時間がない、プロに任せて確実に終わらせたいという場合は、相続登記サービス「いい相続」や「nocos(ノコス)」の利用も一つの手です。

たけぞう

ワシの名前で税金が来るのも、そろそろ終わりにせいよ。 あの世に行っても、税金の請求書が追いかけてくるようで落ち着かんわい。頼んだぞ!

パジャ丸

私も微力ながら、相続登記がなされるうよう情報発信していきます!

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